イタリアでインロックの悲劇 その3

イタリア - エピソード
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水を滴らせながらようやくたどり着いた友人宅で、温かいシャワーと慰めの言葉をたっぷり浴びて、元気を取り戻していった。明日になればすべて挽回できるとおもいながら床に就く。 

翌朝、駅前のレンタカーのオフィスに、開店と同時に勢い込んで入る。前日にインロックしてしまったことを説明し、今日車を取りに行くので、スペアキーを貸してほしいと話した。窓口スタッフの返事は思いもよらないものだった。

「スペアキーはここにはありません。ローマで一括管理しています。取り寄せるのに早ければ明日届きますが、もっとかかる可能性もあります。」

今日車を取りに行けないなんて、とんでもない!みんなの荷物が入っているのに。

直接ローマに鍵を取りに行きたいと懇願したが、規則でそれは許されないという。

今日になれば解決するという発想にすがってきたのに、それらは崩れ去った。ここは日本じゃない、イタリアだ。おかしいとおもっても、いくら頭にきても、私のなかのこうであるべき、は、ここでは通用しないのだ。

ものすごい落ち込みのなか、学校にいく。授業に出る気力はなく、PCのある部屋にいき、今日会う予定だった友達に、予定変更をお願いするメールを送る。

昨日泊めてくれた友人宅にまた泊めてほしいとお願いにいく。体調が悪そうで申し訳ない。。

今の気持ちを書き出して整理したいから、紙とペンを貸してほしいと頼んだら、ますます心配されてしまった。そんなことも反省しながら、つまっているものを吐き出していく。(その紙は後日捨てたようす)

下着などを買い出ししてから、料理レッスンが入っていたので教室に行き、いまこんなことになっているという話をしたら、イタリア人の先生だけでなく、フランス人カメラマンの生徒なんかも、皆キャンティの肉屋のことを知っていた。

鍵や携帯を今日届ける予定だった友人の職場である靴の工房にも、ぺったんこ桃をもってお詫びにいく。

 

泊めてくれる友達の家にもどったら、ほかにも人を呼んで天ぷらそばパーティーを開いてくれた。日本食が心に沁みる。。

つづく

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