松本でみつけた通好みの蕎麦屋

日本 - グルメ
長野は松本で蕎麦を食べることにして。手っ取り早く美味しそうなお店を探すため、車中で食べログ検索。ランキング1位が長期休業中なので、2位のお店へ。詳細を読まずに、立地が悪くなかったので電話して営業を確認し、行くことに決める。
近くの有料駐車場に停めて向かうと、城のような、蔵のような、白塗りの壁に、落ち着いた緑の暖簾に白抜きで「三城亅の文字が。すでに粋。
入ると、威勢のいい感じはまるでなく、和モダンのこじんまりと美しい空間が。形の違うテーブルが3つほど。
20年程前の八千草薫を思わせる着物の女将さんが何を訊くこともなく、きのこの大根おろし和えと日本酒をもってきた。日本酒にしか見えないが、まさか日本酒だとも思えなくて、水ですかときくも、お酒ですとの回答。
なんというこだわりの店!コースのお店だったか!
流れるような動きの女将さんには、尋ねる隙がない。去ったあと、こっそり食べログを読んでみると、2000円一本とあった。
蕎麦が出てきた。
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太めでコシがあって、蕎麦の香りがしっかり。そしてつゆも出汁の香りがプーンと漂った。連れがこれはホンモノだと呟いてしまうほど、本気が伝わってきた。
その後、大根おろしと葱とわさびの薬味を入れすぎて、辛さと闘いながら、ときおり蕎麦だけを食した。
私は生粋の蕎麦好きではなく、白っぽくてコシのあるお洒落蕎麦が好きな程度のレベルだけれど、この蕎麦は舌を育ててくれそうに思った。多少笊の上の蕎麦が余分な水をまとっているようには思ったけれども。
独特な旨味をもったタクアンや、野沢菜、赤カブの塩漬けで口直し。蕎麦湯を飲みながら、歯触りを楽しんだ。
その後の花豆の甘煮が、今まで食べた中で最高のものだった。皮はぴんと張っているが決して硬くはなく、中はしっとりと軟らかく、奥行きのある甘さ。
ひっきりなしにお客がやってくるが、店内は穏やかで静かな空間。
お手洗いの使い捨てタオルがパリッパリなのも、なんだかお店の在り方を表わしているようで、気が引き締まるおもい。
この体験が2000円でできるなら儲け物だと思いながら、乗鞍で雪に囲まれている。
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