エジプト博物館
世界三大エジプト博物館のひとつがトリノにある。なぜトリノなのか。
サヴォイア公国がトリノに首都を移した16世紀のこと。要塞をつくっているときに、彫像の土台が発掘された。ローマ時代のもので、エジプトの豊饒の女神イシスについて言及されていたことから、歴史学者はトリノがエジプトに起源をもつ都市だったと考えた。そこからサヴォイア家がエジプトのアンティークのコレクションを始めたという歴史がある。
神殿もハイライトのひとつかと思うが、ここにはグロテスクと言っていいものががたくさんある。髪の毛の残ったミーラ(遠足の小学生たちが髪がある!と騒いでいた)、布にまかれたミーラなどたくさん見た。つぼに入った骸骨、横たわる骸骨なども少なくない。
ほかに興味深かったのはファラオの墓にあったベッド。枕ではなくヘッドレストがついている。王妃の墓はひとまわり小さいなどの違いがあったのも興味深かった。
トリノ自動車博物館
フィアットの本拠地であるトリノだけに、ここの自動車博物館は規模がすごい。
黎明期の車から最新のものまで、世界中の車が順を追って配置されているので、車の発展の歴史が感覚的に分かる仕組みになっている。
なによりも昔の車が美しい。映像などを使って臨場感が出る仕組みになっているところもある。そのせいか、一瞬その時代に生きていた記憶が蘇ったような感覚に陥り、茫然。
見どころが多くて、しっかり全部見たら1日かかってもおかしくないくらいの場所。
トリノの美術館は40以上あるけれど、特に人気の高いところで特徴的なところをチョイスした。
街を見下ろせる丘
高台にある「サンタ・マリア・デル・モンテ・デイ・カップチーニ(Chiesa di Santa Maria del Monte dei Cappuccini)」。
ここからの景色は格別。手前のポー川と整然とした美しい街並みが楽しめる。
ここに来るまで多少息を切らすような状況になると思うので、お酒を飲まずに行くことをおすすめする。
トリノ中央市場
近くの青空市場が人気だけれど、ここのフードコートの建物は開放感がすごくて一見の価値がある。
隣にはおみやげを買える市場がある。
ちなみにトリュフ塩を市場に探しに来たけれど季節が終わって扱ってなくて、巨大なEatalyである「Eataly Torino Lingotto」で買った。おみやげならそこがおすすめかも。
ドーラ地区
実は近代的なエリアもあるトリノ。ドーラ駅、ドーラ公園があるエリアは、面白い形のオブジェ、ビルがある。
またショッピングモールがあって、巨大COOPやアパレルショップが入っていて便利なので、買い物目的にやってくるのもアリ。
トリノの人々
イタリア人には陽気なイメージがあるが、トリノの人はシャイで距離感があると言われているそう。
とはいえ、日本人の距離感よりほんのり近いくらいの感じで、あたたかみを感じるレベルではある。
2022年3月は観光客がほとんどいない時期(レストランに入るのもワクチン・パスポートのようなものが必要で、公共交通機関はN95マスクが必須。5月現在はルールが変わっている)だったせいか、どこにいっても本当によくしてもらった。英語を話したくてうずうずしてた人もきっといただろうけども。
そのなかで、南イタリアからやってきて50年のおばあさんにカフェの入り口で声をかけられてコーヒーをご馳走してもらって素朴な会話(私のイタリア語力のせいで)を楽しんだのもいい思い出(食事もご馳走してくれるというのは丁重にお断りしたけれど)。そうそう、おばあさんはくるみのデニッシュを食べていた。トリノのくるみのデニッシュは日本と同じ味がしておいしいので朝食におすすめ。