シチリア南部に位置する世界遺産の町アグリジェント。古代ギリシアの植民都市で、神殿の谷と呼ばれる遺跡群が今も残る。
夕食は、宿からほど近い、丘の上のOsteria ex Panificio(オステリア・エックス・パニフィーチョ)に決める。店名は、元パン屋の居酒屋というところ。
到着すると既にテラスまで賑わっている。店員は皿を運ぶのに忙しく、なかなか声をかけてこない。しばらく放っておかれた後、険しい表情で、席に案内された。
おすすめをきいて、イカの詰め物と、カポナータ(野菜の揚げ煮)をオーダー。
イカの詰め物はこちら。トマトソースの海に横たわっている。
柔らかいイカの胴体には、パン粉、粉チーズを牛乳でまとめたものが詰められ、ゲソも入って食感に変化を与えている。
うまみたっぷりの濃厚トロトロトマトソースがとても合う。ソースに甘みがあるのも大切なポイント。
そして、特筆すべきは、この水玉模様のようにかかる、バジル香るソース、ジェノベーゼ。これが入るとびっくりするほど美味しくなる。
舌に神経を集中させ、トマトソースだけをかけて食べたり、ジェノベーゼを合わせたり、トマトソースだけを味わったりしていると、あっという間に食べ終わってしまった。
カポナータはケイパー、セロリが効いたタイプで、なす、たまねぎ、トマトで構成。そしてこれにもジェノベーゼがかかっている!いろんなところでカポナータを食べたけれど、ソースがかかっていたのはここだけ。ありそうでなかった大発明。
今後、トマトものをたべるときは、ジェノベーゼは必須だと思ったくらい、静かに一人しびれていた。
そのわりにお会計は18ユーロ。ワインは禁酒期間で飲んでない。
ちなみに気軽なお店では、ワインはとても安い。1ユーロの店に入ったこともあるほど。
店員の態度は悪いけど、味はとびきり!と気分良く店を後にした。
Osteria ex Panificio
毎日営業 12:30~14:30、19:30~22:30