水煮魚という激辛四川料理にはまる

英国 - カルチャー

ケンブリッジで語学学校が一緒だった中国・青海省(四川省の隣)出身の18歳は、いつも辛い食べ物を食べたがっていた。

四川を代表する料理「水煮魚」

皆で中華料理を食べに行くと、彼女が絶対オーダーしていたのがこの水煮魚。

辛みと花椒ががんがんに効いた麻辣なスープというか油の中に、つるんとした白身魚とかモヤシとかが入っている。英語だと、メニュー名にChili OilとかFishとか書いてある。

ヨーロッパの生徒は辛いのが苦手な人が多いので、たいてい中国人と日本人が担当する。なぜか韓国人はそんなにハマっていない様子。やみつきになる味で夢中になって食べる。しかしいつもびっくりするくらい大きなどんぶりで来るので、食べきれた試しがない。だったらオーダーの量を加減すればいいのだけれど、テーブルをたくさんのお皿でうめつくすのが中国式のマナーなのかもしれない。

先日ロンドンで彼女と会ったときも迷わずオーダー。そしてやっぱり食べきれず。

彼女のショッキングなホームステイ体験

彼女がホームステイしていた家は大きな家で、年頃の息子がいた。あるとき、彼女がキッチンに行くと、そこでは下半身を出して一人セクシャルな状態に浸った彼がいたという。

その話をきいた、韓国人とトルコ人の男子は爆笑。私は、なんでそんなところでという馬鹿さ加減に唖然としつつもぞっとした。絶対早くホームステイ先を変えないと危険だよ、と言ったけれど、彼女は我慢してしまった。その部屋にはベッドが二台入っていて、2か月ほど後にイギリスにやってくる母と小さな弟と過ごすのにぴったりだったからだ。そんな部屋なんて、どうにでもなるんだから、今すぐ引っ越しをと言ったけれど、そのまま2か月が過ぎた。

そして、今度はお母さんがそのシーンに遭遇してしまったのだ。またしてもキッチンで。お母さんは静かに、私たちが帰るときに引っ越しなさいと言ったと言う。

彼女は、学校のホームステイ係に家を変えたいと言ったものの、その事件のことは伝えなかったので、ホームステイ係はあまり取り合わなかった。18歳の口からは言いにくいのかと思い、私が代わりに言おうか?!と言ったけれど、結局自分でがんばる、とのことだった。

大人になりゆく姿

はじめて彼女と会った日のことをよく覚えている。いまどき日本ではみかけないようなピュアな雰囲気で、眼鏡をかけた顔がつるんとしていて。親ほどの年齢の私に連絡先を教えてといってきたとき、思わずキュンとしてしまった。

しばらくして、コンタクトレンズに替え、韓国人の子に化粧の仕方を習い、一重瞼に赤いアイシャドウを塗るようになった。それがまたとても良く似合っていた。親のような気持ちでそのサナギから蝶になる様をみながら、これはアジア人好きにはたまらないだろうなと思った。

ある日一緒に街を歩いていたときのこと、観光バスでやってきた中国の観光客が騒いでいるのをみて、私も中国人だけど、ああいう人たちの感覚はよくわからない、奇妙、と言っていた。若者の中に、本当にそういう感覚の人がいるんだなと驚いたものだ。

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