冬のトスカーナ料理として、いのししをチョコレートで煮ることになったときは耳を疑ったものだ。
(写真はペコリーノチーズ・・・ヤギのチーズで有名なピエンツァの景色)
フィレンツェから100kmほど離れたグロッセートという土地の郷土料理らしい。
日本でもいのししを食べると言ったら、それじゃあ帰国したらつくれるね!と先生がうれしそうに言っていたのだけれど、いのしし肉が得意なほうではないので、結局再現できてはいない。
たしかにチョコレートの風味は感じつつも、複雑で奥深いソースが美味しかった。
いのしし肉が入手できれば、バレンタインにつくるのも素敵だと思う。材料が多いのと、3日前から準備するので、要気合!
CINGHIALE IN AGRODOLCE(いのししの甘酸っぱいソース)
まずは、いのしし肉の臭み抜きと肉を柔らかくするためにマリネ作業を。
マリネ材料
- いのしし肉の塊 1kg
- オリーブオイル 大さじ5
- にんじん(小ぶり) 1本
- 玉ねぎ(小ぶり) 1個
- セロリの茎 1本
- にんにく 2片
- イタリアンパセリの葉、タイム、ローリエ 少々
- ビネガー 200cc
- 白ワイン 400㏄
- ブラックペッパー(粉末) 2つまみ
- クローブ 2~3粒
※その他、肉を洗う用に分量外のビネガー、塩こしょうを用意
マリネの仕方
- 野菜を刻んで、オリーブオイルを入れた鍋に入れ、炒める。柔らかくなったら、ビネガーを加え、それから白ワインを入れる。ペッパーとクローブも加える。10分ほど沸騰しない程度の火加減で煮て、粗熱を取る。
- 肉叩き器で塊肉をたたき、たっぷりのビネガーで洗う。
- マリネする。1の中に2を入れて、3日間置く。冷蔵庫内がベター。ときどきひっくり返す。
- 塊肉を取り出して、水気を切り、乾かす。
- 塊肉をローストビーフのようにタコ糸で縛る。皿に塩コショウを入れて、その上を転がしてまんべんなくつける。
- マリネ液を濾しておく。のちほど使用。
ソースの材料
- 玉ねぎ(小ぶり) 1個
- ベーコン(実際はリガティーノ というスモークしないベーコン) 100g
- マリネ液(濾したもの)
- 白ワイン 適量
- ブイヨン 適量
- バター 20g
- 小麦粉 20g
- 砂糖 50g
- にんにく 1片
- 刻んだローリエ 1/2枚
- 強めのビネガー 100cc
- すりおろしたダークチョコレート 50g
- お湯に漬けたレーズン 20g
- 松の実 20g
- オレンジの皮の砂糖漬け 50g
- プルーン 2つ
- チェリーの砂糖漬け 5-6個 プラス飾り用にいくつか
つくりかた
- 玉ねぎを細かく刻み、小さく角切りにしたベーコンと一緒に炒める。
- 1の鍋にいのしし肉の塊を入れ、全面に軽く焦げ目がつくように転がしながら焼き付ける。
- 火を弱くして、マリネ液、白ワインやあたたかいブイヨンを適量入れて、2時間煮込む。
- 3のソースを裏ごしして均質にする。
- バターと小麦粉を合わせ、炒めてルーをつくる。これを4に加え混ぜ、温めてクリーミーなソースにする。
- 別の鍋に、砂糖、つぶしたにんにく、刻んだローリエ、半量のビネガーを入れて火にかける。砂糖が溶けたら、すりおろしたチョコレートを入れ、残りのビネガー、レーズン、松の実、角切りにしたオレンジの砂糖漬け、そのままのチェリーの砂糖漬け、刻んだプルーンを加える。
- 5と6を合わせ、あたたかいブイヨンを少し加える。タコ糸を外して食べやすい大きさに切った肉を加え、軽く煮立たせる。
- お皿に盛り、分量外のチェリーの砂糖漬けを飾りにして、出来上がり。