誰だって、できればマスクはしたくない。息苦しいし。人によっては肌荒れするし。眼鏡が曇るし。
とくに、昨年からマスクを着けるようになった人々にとって、違和感はより強いのかもしれない。
まずマスクが嫌いと言っているような人たちは、不織布マスクのワイヤーの使い方を知らない。鼻の形に合わせてフィットさせるということを知らない。
そして彼らはマスクをしていると声が張れないこと、人に印象づけられないと心配しているようで、いざとなるとマスクを外してしまう。
先日帰国したときのフライトでは、着陸後のざわつきのなか、後方にいたフライトアテンダントに挨拶をするのに、一瞬マスクを下げて大声を出していた男性がいた。ちなみにこの人は、私の斜め前の席にいた人で、隣の席になった女性を相手にワイン片手にいつまでもいつまでもマスクなしでしゃべっていた人。あまりに長いので話すときはマスクをしてほしいと頼んだけれど、まだ飲んでるからと無視した人。本当に不快だった。
さて、いざとなるとマスクを下げてしまう人は、女性でもちょこちょこ見かけた。たとえば、フラットシェアのスタッフが興奮してくるとついマスクを下げてしまっていたし、語学学校の先生も一番言いたいところでマスクを下げてしまっていた。聞いているこちらは、マスクを下げられるとまったく話に集中できなくなるというのに。
コーヒーショップの女性スタッフでは、女の私の相手をするときはマスクを下げないけれど、常連なのかよくわからないけれど男性が声をかけると、都度マスクを下げて話していた。自分の顔を見せたいようだった。
日本では、くしゃみするときにマスクを外してしまうおじさんが話題になったけれど、それ以外でマスクを下げてしまう人は、いそうであまりいない。