コロナでロックダウンを経験したロンドンでは、物乞いが増えて、その層が変わるという変化があった。若い女性が急に増えたのだ。
ロンドンのホームレスは、日本と違って積極的。中心地のアーケード下とか、目につくところにいる人が多いし、そこで通行人に声をかけている人が少なくない。
これまでは圧倒的に男性が目立っていたのだけれど、8月末にロンドンに到着してすぐに遭遇したのが、駅で「釣銭をください」と言う若い女性2人組だった。驚いていたら、こちらに住んでいる友人が、「物乞いが結構増えたんだよね」と言っていた。
その後も、地下鉄に乗っていると、若い女性にお金を要求されることが続いた。
彼女たちは、声をかけてきたり、紙にメッセージを書いたものをかかげて、無言で悲しげな顔をして目の前に立ったりする。そうやって、車両をまわっていく。
以前は、電車の中やカフェなどで声をかけてくる人は中年男性がほとんどだっただけに、ショックを受けた。
その若い女性たちの特徴だが、決してボロボロの服を着ているわけではない。割とおしゃれなのだ。色使いが少し攻めたもので、カジュアルな服装をしている人が多い。20代らしき人が多い。
服装からすると、ホームレスではないのかもしれない。それでも、羞恥心がまだまだ多そうな若い女性がそういうことをするのは(というのも偏見かもしれないが)よほどのことだろう。
これから、そんな人たちがもっと増えていくのかもしれない。